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資格試験を考える

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熊本の地震で、現地で行われる予定だった情報処理技術者試験が中止になった。
こういった試験に関して、「意味が無い。資格がなくても実力がある人はいる」ともっともらしいことを言う人がいる。でも、実力があるかどうか、どうやって知ることができるの?プロジェクトに入ってもらって、「やっぱり実力不足だね」って判断するほど余裕があるの?

 

今はプログラムを作って公開することも簡単にできるので、どれくらいの腕かを知ることはできる。でも、必要なのは、それだけ?
海外で売られているソフトの日本語化を行っていた時、作業フォルダーとして日本語のフォルダーを指定すると、エラーになることがあった。その世界では有名な「5C問題」で、ライブラリを使えば対処されている問題だったのに、知らずに簡単に自作していたのだった。つまり、腕があったとしても、知識がないと、車輪の再発明どころか、劣化コピーをやってしまうのだ。先人の知恵のつまった、「ベストプラクティス」を知らないだけではなく、もう解決されているはずの問題を再発させてしまうのだ。

 

話が逸れた。
確かに、資格があっても実力が微妙ってことはよくある。が、その分野に関して「勉強したかどうか」の判断には使える。勉強して、専門用語を理解できていることは重要だ。専門用語で概念を共有できるかどうかはコミュニケーションコストに大きく響く。

 

「資格はないけど実力はある」「資格はあるけど実力はない」。どちらがいい?っていう質問は、ナンセンスだ。そんなの、両方ある方がいいに決まっている。
こじつければ、「資格がある」=知らない人に対して、自分を評価する物差しの1つを提供している ということだ。複数人で進めていくプロジェクトであれば、こういった他人への配慮は必要だ。

 

結局、試験は意味がないっていうやつに限って、そもそも試験を受けていなかったりする。自分の怠慢を正当化するために、もっともらしいことを言っているだけだったりする。本当に不要なものなのかどうかは、自分でしっかり考えた上で結論を下すべきだ。「先輩が言っているから」「会社が受けろと言わないから」と、判断を人任せにしても、結局困るのは自分自身だよ。
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